豊房 蔵岡の双体道祖神 西伯郡大山町のサイノカミ
鳥取県西部の民俗と石造物
大山町 豊房 蔵岡のサイノカミさんはお屋敷前の路地脇にあります。
塞神考によると以前は公民館にあったそうです。
それよりもっと前は『若いもん宿』というところにあったとの事。
若いもん宿…?!ドキドキ
その他、
- わらじ、わらつと、わら馬、だんごを供え、火祭りをしてだんごを焼いて食べた
- 男女に関係なく縁結びの神であった
- わらじは足が強くなる
- 子供に恵まれない夫婦の家や、未婚の若い男女の家を持ち回った
- だんごは家に持ち帰って焼いて食べた(若い者ばかりでなく一家で食べた)
- 一年中元気で過ごせる
といった事も聞き取りできたようです。
以下に写真を貼っておきますが、令和7年現在わらじ、わらつと、わら馬については現物を見ることが出来ました。
また、盗難対策として依り代が巨大化する一方、こちらのように持ち運び出来る依り代にも根強い需要があったのも事実です。
中央の大きな石はもともとあったお屋敷の地主さんでしょうか。
目印
お屋敷前の路地
対象
双体道祖神×2基
参考
塞神考(277)
依り代について(左)
中型。
駒形の加工石です。
屋根の下に浮き彫りの双体神立像。
向かって右の男神(推定)は烏帽子に笏。
女神(推定、ちょっと柔和)の所持品は不明。
森氏の調査時は彩色されていたそうです。
文字はうっすらと何かありそうですが、よく見えません。
冒頭で述べたとおり、持ち回り用のポータブルサイノカミで、各地にほぼ同型の依り代が点在しています。
類型:烏帽子タイプ
依り代について(右)
中型。
前面を彫り下げて双体神立像を浮彫り線刻にしてあります。
向かって右の男神は冠。
男女神共に所持品不明。
こちらも文字はうっすらと何かありそうですが、よく見えません。
類型:冠タイプ
その他わら細工
わら馬×1
わらつと×2
わらじ中×片方1足
わらじ小×片方1足
調査が8月の終わりでしたので、残っていたわら細工が令和6年末のものだったかどうか見た目ではちょっと分かりませんでした。